2025年度8月チェンマイ訪問報告(NPO用)
■訪問時期;2025年8月13日(水)~20日(水)
■訪問者; 16名(内3名がNPOメンバー)
石渡宏衛、安倍砂貴、島田正敏(NPOメンバー)
その他、関東学院六浦小学校関係者(教員、生徒、父兄、卒業生)
■訪問地; 1,ファイナムカオ寮(ティワタ寮)
2,ファイディンモー寮
3,その他
4,まとめ
■内容
1,ファイナムカオ寮(ティワタ寮)
訪問日:8月15日(金)~18日(月)
生徒数:47名 (女子30名、男子17名) 職員数 4名
①メンタルヘルスについての講演会
日時:8月16日(土)
内容:
・臨床心理士(六浦小学校卒業生)の方から寮と教区の中高生に向けメンタルヘルスについてのお話をしていただいた。
日本同様、タイ国内でもメンタルヘルスに対する関心が少しずつ高まっている。しかし、うつ病患者や自殺者が増え続けている社会の中で健康的な食事を摂ることの重要性や自分自身の心を守るため方法を学ぶ。
生徒だけでなく職員たちも興味を持って話を聞いてくれ、たくさん質問をしていてとても有意義な時間となった。
臨床心理士の先生が今後も続けて訪問したいと言ってくださったので今後もこのような学びの機会を企画していきたい。


②お菓子作りと交流
・六浦小学校の父兄の方が中心となりおやつにワッフルとお汁粉を作る。普段は日本人チームが作ったものをふるまっているが、今回は寮の子どもたちと一緒に作り、食べてもらう。良き交流の時となった。




③生理用品支援
以前に比べ中高生が増えたこと、そして、経済的な理由から生理用品を購入できない子がいたり、お友達の物やお金を盗ってしまうという悲しい問題があることを知り、石渡さんが関係者にお話をしてくださり、エリエールタイランド様より生理用品の寄付を頂く。(ファイナムカオ寮とファイディンモー寮の女子に1年分)。今年も調整中。
④課題
〇人件費と運営費(詳しい内容は過去の報告書に記載)
・2028年4月でアメリカの支援団体「コンパッション」からの支援が終了する。今後、運営費をどのように捻出したらいいかが大きな課題。(どんなものでもいいのでアイデアや意見があったら教えて欲しいとのこと)
・卒寮生が寮の運営をサポートする目的で「コンローイ306」というグループを立ち上げた。
社会人となった卒寮生に会員となってもらい、月々100バーツを寄付してもらう仕組みを作り、
運営資金の足しにしてもう。会員を増やしていけるように卒寮生に呼び掛けている。
・卒寮生の一人から、寮へ恩返しをしたいという思いがあり、自分で織った布を使って製品を作って販売しその売り上げを寮に寄付したいと考えている。カレン族の衣装やカバンよりもっと日常使いができるような製品を作りたいとのことでアイデアが欲しい。また、販売ルートについても何かアドバイスがあれば教えて欲しいとのこと。
〇寮費
物価の高騰により寮費が今年度から3,000バーツ/年(約15,000円)に値上がり。
(前年度以前は2,500バーツ)支払いできない生徒が15名→石渡さんがサポート
貧困、保護者の麻薬の問題から支払いが困難な家庭もある。一方で、支払い能力はあるが子どもの教育に無関心で寮費を払いたくないと拒否する保護者もいる。寮側は生徒が学びたいといっている以上は追い出すことはできない。

2,ファイディンモー寮
訪問日 8月16日(土)~17日(日)
生徒数 22名(女子8名、男子13名) 職員数 2名
①交流
昨年より寮の方から日本人グループと一緒に過ごしたいという希望がある。
小学校側も同じ年頃の子どもたちがファイナムカオ寮よりも多いことからファイディンモー寮と交流を図れないかというお話があった。
日中にお菓子作りのアクティビティー、その後フリータイムを過ごす。夕方は夕食をご馳走になり、 礼拝に参加。小学校の先生と生徒はこの寮に宿泊する。今後もこの寮に訪問し、交流していきたい。


②課題
〇運営費
・こちらもファイナムカオ同様、2028年4月にコンパッションからの支援が終了する。
その後の運営費捻出が大きな課題となる。
現在は寮費(2,200バーツ/年)、ファイナムカオ教区からの予算、コンパッションと
アメリカのグループからの支援によって寮が運営されている。
・寮費を支払えない生徒は8名→石渡さんよりサポート
保護者はきちんと支払いたいという気持ちはあるが経済的に支払いが困難な家庭が多い。
(貧困、母親の再婚後に新しい家庭ができた等)
〇その他
昨年末にチェンマイのメージョー大学で地域開発の勉強をしている卒寮生から生活費の相談を受ける。
事情を聴き、島田先生がサポートを申し出て下さる。(詳しくは2024年12月報告書に記載)
毎月寮母が卒寮生に送金し、その報告を受けている。(安倍)



3,その他
①ワソタ村(ファイナムカオ寮から車で2時間ほどの距離)
〇ワソタ運動場(2023年12月と2024年12月報告書に記載)
・2025年1月、王室プロジェクトの一環で村人(ワソタ周辺村も含む)の健康診断をするために医師団がチェンマイから訪問。その際に運動場をヘリポートとして使用する。




・降り続く雨により運動場横で土砂崩れを起こしている。これは以前から懸念されていたことで想定の範囲内。排水管の整備とフェンスの設置を考えている。雨季なので本格的な作業は難しいので、応急処置として水が流れる道を作って対応。
〇コーヒーショップ(2024年12月報告書に記載)
・村に小さなコーヒーショップを開き、教区の運営費を捻出している。
イベントやセミナーなどがあると出向きブースを出す。多少なりとも利益が出ているので続けていきたいとのこと。
将来的にメートゥン地区(ファイデインモー寮近く)に2号店を出したいと考えリサーチしていたが
土地代または賃料が高すぎて実現するのは難しいので別の場所での出店を考え直している。
店を構えるのではなく、キッチンカー(バイク)のように移動できるものはどうかと提案してみる。
・ワソタ村にあるコーヒーショップの建物が不安定で危険であることを年末に指摘していたところ、修繕作業をしているとのこと。
〇その他の支援
・ワソタ村の子ども達へ古着とおもちゃの寄付(安倍より)
小学校高学年から大人、男の子の物が必要とのことなので回りに声をかけ集めたい。
・2024年12月に渡した教育支援金で本棚を購入したとの報告がある。

②卒寮生との再会
ファイナムカオに向かう途中、ファイナムカオ寮、チェンマイで卒寮生と再会。





4,まとめ
今回、小学校の先生や寮側と日本人と現地の子たちがなるべく一緒に遊んだり、交流を持てるようにと事前に打合せをしました。
普段は駆け足の訪問になってしまうファイディンモー寮で宿泊し、交流を持てたことは日本人チームにとっても寮にとってもとても良かったと思います。今後も交流を重ね、友情を育むお手伝いが出来たらと思います。
タイはここ数年、政治も経済も安定せず、希望が持ちにくい不安定な社会の中で皆、生活をしています。SNSや携帯が手離せない子どもたちは危険や誘惑が常に近くにある状態です。
心も不安定になり、自分自身を見失ってしまう者も多くいます。自殺者も多く、うつ病になる人もとても多いです。そんな中、臨床心理士の先生が子ども達や職員に向けてお話をして下さったことも本当に有意義な時間でした。今後もこのような機会を持てたらいいなと思います。
日本から参加してくださった保護者の方々もそれぞれの得意なことや好きなことを通して寮の子どもたちを喜ばせてくださり、楽しませてくださいました。(お菓子作りやお料理、サッカーなど)
また、このNPOの活動に興味を持って下さる方もいました。とても嬉しいです。
これから、一緒に活動していける仲間をもっと増やせていけるようにしたいです。
毎回お伝えしていますが、個人的な関りはそのまま続けつつ、このNPOとして何か動いていけたらいいなと心から思います。宜しくお願い致します。